Music, When Soft Voices Die (音楽は優しい音が消えたあとも)


 

 「音楽に恋をした。」・・と思うことが今までに、いく度かありました。
2023年3月にご逝去された坂本龍一さんの音楽を初めて聴いたときも、そんな感覚に囚われました。
坂本さんの音楽を初めて聴いたのは、まだ、小学生のときです。

兄の部屋から、”その音楽”が聴こえてくると、たまらない気持ちになったことを覚えています。
それはちょうど、片想いの人とすれ違ったときのトキメキと胸の痛みにも似ていました。


それ以後、坂本さんの音楽をかなり夢中で聴いていた時期もありましたが、あるとき、プッツリ聴くのをやめました。
『好きな作家の本を読んでしまうと、それと同じことを書こうとしてしまうので、あえて好きな作家の本は読まない。』
・・どこかでそんなことを読んだことがありますが、理由はそれと同じです。


“推し活”という言葉を最近よく耳にしますが、“退き活(ひきかつ)”
・・それが、ファンとしての私の在り方でした。

愛する音楽の前であえて身を退いてしまう・・
何とも消極的なスタンスのファンではありましたが、長い年月、折りに触れ、その音楽に心を捉えられて来たことに変わりはありません。
そのため、昨年の3月以降は、胸にぽっかり穴があいてしまったような想いに囚われてしまいました。

そんな時期に思い出したのが、イギリスの詩人パーシー・シェリーの詩、「Music When Soft Voices Die」の冒頭の一節。

” Music, when soft voices die, Vibrates in the memory;  ”
“音楽は優しい音が消えたあとも 思い出のなかで震えている“

こちらの詩を歌詞としてつくった楽曲を、恐れ多くも坂本龍一さんに捧げたいと思いました。
里山の森に通って撮影した樹々や、蝶や花のムービーとともに。

”魂(たましい)”というものが存在するのかどうか・・私にはわかりません。
けれど、坂本さんの音楽は、心の深いところで生きていると感じます。




Music, When Soft Voices Die (音楽は優しい音が消えたあとも)
Percy Bysshe Shelley(パーシー・ビッシュ・シェリー ) 1792 – 1822

Music, When Soft Voices Die
Words by Percy Bysshe Shelley (1792 – 1822)

Music, when soft voices die,
Vibrates in the memory;
Odours, when sweet violets sicken,
Live within the sense they quicken.

Rose leaves, when the rose is dead,
Are heap’d for the belovèd’s bed;

And so thy thoughts,
when thou art gone,

Love itself shall slumber on.

音楽は、優しい音が消えたあとも」

音楽は、優しい音が消えたあとも
思い出の中に震えている

香りは、スミレの花が萎れた後も
感覚の中に生きつづける

薔薇の葉は、花が枯れてしまったあとも
愛する人のベッドを飾る

想いは、あなたがこの世を去ったあとも
愛の余韻となってただよう

Music, When Soft Voices Die (音楽は優しい音が消えたあとも) Picojoule

*Words by Percy Bysshe Shelley(パーシー・ビッシュ・シェリー ) 1792 – 1822
*Music by Picojoule / Video by Picojoule

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