海を眺めること 大切な人を想うこと

 海のある街で生まれ育ったせいか、ときどき無性に海が見たくなります。

ただただ、潮風を胸いっぱいに吸い込みながら海を眺めることを恋しく思うのです。

ふと考えると、「海を眺める」という行為は、とても不思議なものに思えてなりません。

見ているだけで、心が満たされるなんて、なかなか他にはあり得ないような気もします。

 

 『人間は愛するもののそばに長くいたいと思う。ただいるだけで幸せなのである。人が退屈するのは、ひたすら愛するものを失ったからではないだろうか。』

こちらは、繰り返し愛読している随筆集、辻 邦生 著 「生きて愛するために」の一節です。

海が好きだという著者がフランス留学のため33日間に及ぶ船旅の間、朝から晩まで、ただただひたすらに海の青さ、広さに見入っていたという体験のあとに語られます。

こちらの一節に触れ、海をひたすら眺めることの幸せ、 そして大切な人のそばにいること、大切な人を想うことの幸せ・・そうした人の根源的な幸福に気づかされました。

そして、そのことは、今回楽曲を作るきっかけともなりました。


それにしても・・海をただひたすら眺めることと、大切な人を想うことは、なぜかとても似ていますね。




海を渡る碧い蝶
作詞・作曲:ピコジュール  

〈2024©︎Inagi Kaori〉

静かな午後の海を
あなたと眺めている
ただ それだけで満ちてゆく時間


愛する人を見ている
それだけで しあわせが 心に溢れる
愛しい日々を抱きしめる


七つの海を渡る碧い蝶が  羽ばたく 
風に やさしく抱かれ


奇跡のなかで めぐり逢う生命
触れた指先が すべてを知っている


始まりも終わりもない世界を 吹き抜ける風
永遠の生命を 歌いつづける 海の煌めき


七つの海を渡る碧い蝶が
光のなかで 微睡み 夢見る


あなたのなかに輝く海の光に包まれ
わたしも夢を見る


愛する人を見ている
それだけで しあわせが 溢れだす 心に


遥かな海の歌が 
愛の歌に変わる
La La La La La La ・・  



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