音の風景♪12月 ラジオの前の静かな時間


夜が長く、寒さが増して来る12月。

イルミネーションの煌めきと行き交う人々のお喋りで、
街はキラキラと華やいでいます。

 


けれど、一人の時間に戻ると、途端に冬の寒さが身に沁みたりするものです。


そんな夜は、ほんわり点した小さな灯りに包まれ、ラジオに耳を傾けます。
すると、静かに心がほどけてゆくのを感じます。

ラジオを聴くのが好きです。
ラジオから流れて来る音楽はもちろんですが、
穏やかに話している人の声を静かに聴いているのが好きなのです。





12月24日、24時。

毎年、クリスマスイヴの24時に放送される、そのラジオ番組。

初めて聴いたときのことを、昨日のことのように覚えています。
年末の忙しさで、心身ともに擦り切れそうな晩でした。

ベッドの中でうとうと眠りかけたとき、つけっぱなしにしていたラジオから
静かに語る声が聴こえてきました。

その穏やかな声と、独特な話し方。
気になって耳を傾けているうちに、
すっかり目が覚めてしまいました。


12月の音の風景 ラジオ




明日も会社だし・・・
早く眠らなければ・・・と思いながらも、
その人のお話は、とても魅力的で興味深く、
引き込まれてしまったことを覚えています。


その人とは、作家の沢木耕太郎さん。


一目惚れならぬ、一耳惚れ。
その後、作品に熱中し、すっかりファンになってしまいました。

それ以来、年に一度のこのラジオ番組を心待ちにするようになりました。

J-WAVE 沢木耕太郎〜ミッドナイト・エクスプレス天涯へ〜


沢木さんがその年、一年間を振り返りつつ、
お仕事や旅のお話をされているのを、
ラジオの前で、ぼんやりと情景を思い浮かべながら耳を傾けます。

行ったことのない場所。
そこで交わされた言葉の数々。


想像のなかで、見たことのない風景が広がり、
心地よい風が吹きます。
嗅いだことのない香りを吸い込んだような気分になったり、
あたたかな気持ちが込み上げて来たり・・・

お話を聴いているだけで、
じわじわと、五感と心が満ちてゆくのを感じます。

リスナーさんたちのメール。
少し間を置きながら、丁寧にお応えする沢木さんの声。
スタッフさんの選曲にも愛を感じます。

その一つ一つが素敵で、心地よく響いています。

24時から27時までの3時間。
とてもとても愛おしい時間となります。



真夜中のラジオ。
電波でつながる、ゆるやかなパーティーは、
毎年、Tom Waitsの ”Innocent when you dream”が流れると
終了となります。

その渋い歌声を聴きながら、しみじみとした気持ちになります。


一年後の自分は、どうしているだろうか?
また、こうしてラジオの前で静かな時間を過ごすことが出来るのだろうか?

そんなことを思いながら、眠りにつきます。




 朝目覚めたときは、眠りにつく前に聴いた夢のようなラジオ番組のことを思い出します。
そして、そこで受け取った言葉や音楽のギフトに、再び心が満たされてゆくのを感じます。


それはちょうど、枕元にクリスマスプレゼントを見つけた子供のような感じかもしれません。


ラジオの前の静かな時間。
一年に一度のこの時間を楽しみに、
また、一日一日を大切に過ごして行こう。
静かに決意します。



 J-WAVE 沢木耕太郎〜ミッドナイト・エクスプレス天涯へ〜

*今年、2021年も、
12月24日(金)24時から放送されるようです。 




12月♪音の風景


Twelve midnight (Instrumental music)
Picojoule<ピコジュール >:Music,Video by Picojoule

都会の光の渦の中にあって、孤高に佇む夜の東京タワー。
イルミネーションで煌めく街。
行き交う人々。

光と闇のあいだに漂う12月の夜の風景を
たゆたうピアノの音色とともに感じていただければ嬉しいです。


東京タワーと言えば・・・
沢木さんもラジオ局の前に佇む東京タワーのお話をよくされています。






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